アメリカでは、銃を持つことは法律で禁止されていません。私の住んでいたバーモント州は犯罪率が全米で最も低いので銃には無縁のような気がします。しかし、高校生でも銃を使うほど、銃は身近なものでした。
今回はアメリカの銃事情について紹介していきたいと思います。
なぜ銃を持つのか
アメリカ国内には3億丁を超える銃が存在し、銃に関連して、3万人以上が死亡しています。また、銃に起因する事故に対応するための医療費に投入された税金は、5億ドルとも言われています。
また、フロリダの銃乱射事件で高校生17人が犠牲になったのもまだ記憶に新しいと思います。この時、私はアメリカに留学中だったのですが、皆で黙とうをし、銃規制に関するデモ活動をしました。
人民の平等を守るための銃
徹底した銃規制を行うのが困難なのは、憲法の規定に加えて、銃に平等化装置としてのイメージを持っている人がいるためです。
銃を持たない状態では肉体的に優れた者が劣る者を暴力で支配することになっても、銃を持てば、体力で劣る者が体力に勝る者に対抗することが可能となります。これは男女平等を訴えるフェミニストの考えにも大きく影響しています。
広大な領土を有するアメリカでは、人口密度の低いところでは警察も十分な数を配置することができないため、自警する必要があり、銃は不可欠なのです。
これはホストマザーが言っていたのですが、言われた時は私も納得してしまいました。しかし、よく考えると銃というものは一瞬で命を奪うものであるため、死者が出るはずでなかった事件も銃によって死者が出てしまうということもありるのではないのかと強く思います。
銃は自分を防衛するものとして社会に認められていて、日本との文化の違いであることを痛感しました。
趣味として

秋になると、バーモント州でも朝から銃声が結構聞こえてきました。銃声音は結構大きく、近いところでやっていると、花火のような音がしてきます。

朝、銃声音で起きることもあったよ。
ハンターたちは銃を何種類も持ってるため、お互いに銃を自慢しあったりすることはあります。私の友達の多くも、男女問わずにインスタグラムに銃と狩猟の様子をのせています。
銃を扱うため、狩猟のためのライセンスが必要なので必ずしも皆ができるわけではありませんが小学生から狩銃の扱いを許されているので驚いてしまいます。
バーモントの人が、トラックを持っているのは狩猟をして射止めた大型動物をのせるためであったりもします。
ハンティング
もともとは食料獲得のための手段とされていましたが、今では銃や罠を使って野生動物を取る行為とされている。
捕まえるものはウサギやリスから、シカまで様々です。狩猟のできる時期は限られていて、週によっても、狩りをしてよい動物が決まっています。そのため狩猟の時期は仕事よりも狩りを大事にする人もいます。
狩りをできる時間は日の出の1時間前か日の入りの一時間後だけです。
オレンジ色の帽子とジャッケトを切れば準備は完了です。木に隠れながら、動物と出会すのを待ちます。
ゲームと一緒で趣味の一環

なぜ狩猟が人気なのか疑問に思いますが、ほとんどの人にとって、狩猟は季節限定の趣味です。やればやるほど腕が上がって、射止めるのが難しい動物も射止められるようになります。つまりゲーム感覚なのでしょう。
ほかにも自分の農作物を守るためや食材にするためなど多くの理由はあげられますが、一番は上にあげた理由です。
ある時、友達の家で鹿の肉を食べさせてもらいました。それはお父さんが狩りで捕まえたシカを調理してくれたものです。
「日本では鹿の肉が高級だけど、バーモントでは自分で捕らえて無料で食べれるうえに新鮮だぞ」と自慢げにお父さんが喋ってくれました。
鹿を想像すると食べるのを少し躊躇しましたが、食べてみると肉自体は柔らかくてとても美味しかったです。味は牛肉に1番味が近かったと思います。
本でわかるハンティング文化
多くの人がハンティングにあこがれていたように感じました。ハンティングは銃だけでなく、ナイフやボーガンも使うことがあります。聞いていると少し怖くなってしまいます。

ハンガーゲームという本で武器のことは習うことができるよ。
ハンガーゲームは銃やボーガンを使って人を殺し合いをするもので、26の国と地域で翻訳されていて、アメリカ人では知らない人はいない有名なベストセラーになっています。
ハンティングの文化がアメリカに強く根付いていることがわかる本なのでぜひ読んでみてください。
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子供の頃から銃で遊ぶ
ホストファミリーは缶を貫通できる程度のおもちゃの銃を何種類か持っていて、休日はそれで遊んでいました。玉の跳ね返りは危ないので保護メガネをして、20m先に並んだ缶や瓶を打って遊んでいました。
その他にも、小学生のいとこと遊ぶときは軽めの球が打てる銃のおもちゃで遊びます。アメリカは思ったよりも銃が身近にある生活で暮らしていることに気が付き、銃を持つことは文化として許容されているような気がしました。
コロナで銃の需要が増えた

新型コロナウイルスへの不安が高まる中、アメリカで売上げが上がっているのはトイレットペーパーや除菌剤だけではないそうです。
調査によると、銃の購入時に必要となる身元調査の2020年5月の件数は2019年に比べて75%増えていて、社会不安の広がりが目先の銃の需要を高めるそうです。

銃がアメリカ人の生活の一部であることが分かるよ。
まとめ
日本とアメリカでは銃に対する意識が違う気がしました。危険なものであっても、自分を守るために必要な銃として認識されているアメリカで銃規制が思うように進まないのも納得できます。
アメリカに行くときは常に危険と隣り合わせであることを自覚し、行動していかないといけないと思います。
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