私は高校2年生から3年生にかけてアメリカのバーモント州に交換留学に行っていました。
バーモント州はニューヨーク州の上にあり、カナダとの国境に位置しています。緯度が高いので冬の期間が長くなります。
10月から雪が降り始め、雪は5月まで溶けずに残ります。学校が大雪によって休校になることもしばしばあります。寒くて外に出たくなくなると思うかもしれませんが、雪によって運動する機会がなくなるので外で運動したいと感じるようになります。
今回はバーモント州では身近な存在であったスキーについて書いていきたいと思います。
スキーの種類について
・クロスカントリースキー
スキーは主に上記の2つに分けることが出来ます。日本でもなじみがあるのがダウンヒルスキーで山を一気に滑り降りるのでスリルと爽快感が満載になっています。
そしてアメリカの冬の運動として行っていたのがクロスカントリースキーで体力と技術が必要になっています。家の庭や道路でできるし、装備も少なくて済むので趣味として楽しむことが出来ます。もちろん学校にはクロスカントリークラブがあってスポーツとして記録を目指している人もいました。

週末はどっちかのスキーを必ずしていたよ。
ダウンヒルスキー

アメリカの山岳部には多くのスキー場が存在します。私の家からも車で10分もすればどこかしらのスキー場に到着するので休日に家族で行くことが多かったです。1日滑ることはほとんどなく、ナイターか昼過ぎに行くことが多いです。
勾配が急すぎて滑れない
家の近くのスキー場は初心者用のレーンがなく、山に雪が積もっただけのものなので、勾配は急で幅も狭くなっていました。
日本では毎年スキーに行っていたので、自信があったのですが歯が立ちませんでした。先の斜面が見えない程、勾配が急でした。まっすぐ進むには止まらなくなるのではないかと恐怖を感じ、ジグザグ行くにもそのまま木の中に突っ込みそうでとても怖かったです。
また、周りの人がハイスピードで下っていくのをみて足がすくんでしまいました。結局なれるまでは板をㇵの字にしてズルズルいっていました。
防寒対策
服装はとても大切です。顔であっても決して肌を見せてはいけません。靴下は厚いものを三重にして、上着もズボンも着れるだけ重ね着していました。
風を切って進むダウンヒルにおいて寒さは大敵です。対策をたくさんしたのですがそれでも二回滑ったら、必ず休憩所で休むようにホストファザーに言われました。
クロスカントリースキー

冬の醍醐味のもう一つはクロスカントリースキーです。日本では馴染みのないスキーだと思います。私もアメリカで初めて挑戦したのですが、タイムを競わないのであれば技術を必要としないので、すぐにできるようになります。
種類がある?
クロスカントリースキーは大きく2つの種類に分けることができます。
両足につけたスキー板を、左右のスキーを平行に保ちながら交互に前後させて進む
・スケートスキー
スキー板を逆ハの字形に開いて、片足で踏み蹴ってもう片方に乗り込んで進む
クラシックスキーではレーンに沿ってゆっくりと歩くので、簡単なエクササイズになります。一方スケートスキーでは技術が必要ですが、スピードが出るので競技用としてはこちらの滑り方を用います。
趣味として
もしスキーを趣味で始めたい人がいたらクロスカントリースキーをおすすめします。
クロスカントリー・スキーの楽しみ方はいろいろです。スポーツというよりは、趣味で行っている人が多かったです。写真撮影やスケッチのための移動、ジョギング代わり、犬の散歩、バードウォッチング、野生生物観察などをすることができます。
周りが雪に囲まれた中、動物の足跡を見て、これは鹿が通った後だなどと家族で予想していきます。山を登って、頂上から見た景色もとても良いです。

ハイキングのスキー版という感じだったよ。
競技として
学校には、スポーツとしてのクロスカントリー部があります。毎日練習して、大会で早いタイムを競い合います。
私もホストファザーに騙されて、町のクロスカントリー大会に出ました。上手な人は滑らかに進むのですが、滑り方がわからない私は、遅いうえにとても力みながら必死に進み、倒れそうになりました。
下から数えた方が順位は圧倒的に早かったですが、レース後に用意されているホットチョコレートがとてもおいしかったのを覚えています。

競技でやっている人たちはびっくりするくらい早かったよ。
スキー初心者が始めるには
スキー初心者であったら、クラッシックスキーのクロスカントリーをおすすめします。スキーとはいえ、歩くだけなので誰でも簡単に滑ることが出来るのです。
技術は必要か
スキーの経験やレベルにさほど関係なく始められ、誰でもすぐに楽しむことができます。歩くだけでも良いため競技として行わない限りは自分のペースで、時には家族と会話を楽しみながら進んでいけます。
必要なもの
スニーカーのように軽くて柔らかい靴と、ダウンヒル用に比べて幅が狭くて軽い板を使ってスキーします。杖を使うことで手の力も活用でき、進む手助けになります。
板も靴も大きくないので、用意するのが楽ちんです。
暑さ対策
いかに薄着をするかが大切です。家を出るときは寒いからと、パーカーにコートを着たら汗で倒れてしまいます。クロスカントリースキーは全身を使う運動になっているので、スパッツに薄い長そででも汗をかくことになります。
しかし肌を見せると凍ってしまうので、温度調整は慎重に行うようにしましょう。
どんなところを滑るのか
大抵、山の坂道などにクロスカントリー用のレーンがひかれているのでレーンの上を滑ります。レーンと言っても、他の人が通ったスキー板の跡であり、利用しているだけです。もちろん無料です。
他にも自分の庭を滑ってみたり、近くの森を散歩がてらにスキーしたり、散歩と同じ気軽さで楽しむことができます。基本的に雪が積もっているところではどこでもできます。
まとめ
スキーは冬の醍醐味とも言えます。趣味としてでも運動不足解消のためにも大活躍でした。
日本では、泊りで北陸に行くか日帰りで硬い人工雪でスキーやスノボをするかのどちらかしか選択肢はありません。しかもレンタル料やリフト代など、費用がかさみます。
しかし、バーモント州は思い立ったら、ダウンヒルなら15分で、クロスカントリーは外に出るだけで始められます。これがバーモントの良いところだと思います。また機会があったらぜひ挑戦したいです。
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