アメリカは日本よりもデモが身近です。日本では参加したことのなかったデモも、アメリカでは5回ほど経験しました。町単位、州単位、学校単位で様々な規模のデモが行われます。
バーモント州では女性の権利、移民問題、銃規制についてのように、トランプ大統領の政策に反対するためにデモが行われることが多かったです。
今回はフロリダの銃乱射事件に関して行われたデモに焦点を当てて書いていきたいと思います。
アメリカと日本のデモ
憲法では認められている
憲法修正第一条は表現の自由や報道の自由と共に、「平和的に集会する権利」を保障
日本
日本国憲法21条でも、集会、結社、表現の自由が保障されています。そのためデモも国民の権利として保障
アメリカでは集会を開いて声を上げるということが、憲法で定められた主権者の大切な権利と認識されているのです。
日本も集会、結社、表現の自由が保障されているためデモも国民の権利として保障され、単に警察へ申請すれば何人であろうと行うことは可能です。
意識の違い
アメリカ人は、抗議する権利をとても大切にしています。間違ったことがあったら行動に移してしっかり表現しようとする人が多いです。
そのため、多くのデモが一年を通して開催されます。
日本でデモが少ないのは日本人が大人しいからでしょうか。それだけでは答えとして納得がいきません。
日本でデモに気軽に参加することができません。周りから奇妙な目で見られ、あまり権力行使に理解があるとは言い難くなっています。
トランプ反対派の勢力
バーモント州選出のバーニー・サンダースという有名な上院議員がいます。サンダース氏とトランプ氏は敵対しているため、私の住んでいたバーモントの人はトランプ氏を支持しない人が多かったです。
ホストファミリーがトランプ反対派
第1ホストファミリーも第2ホストファミリーもトランプ大統領のことをよく思っていませんでした。
車にはサンダースを支持するスティッカーを堂々と貼っていました。職場にサンダースのパーカーを着ていくこともありました。

アメリカ人って周りにどう思われるかより、自分がどう思うかを大切にするよね。
政治はセンシティブな話題
政治に関しては少しセンシティブな話題でした。第2ホストマザーはトランプ支持者かどうかで人を判断している部分がありました。第1ホストマザーはトランプ反対派ですが、姉はもしかしたらトランプ支持者かもしれないから、毎日一緒に働いてるけれど政治の話はできないといっていました。
私はホストファミリーに連れられてデモに参加することが多かったです。デモは、町規模、州規模など様々な規模の大きさで行われています。そのため州都まで2時間かけて行ってデモ集会に参加することもありました。
フロリダ銃乱射事件で高校生が立ち上がる
2018年2月に19歳の元高校生がフロリダの高校で銃を乱射して、生徒と教師あわせて17人亡くなった事件
フロリダ銃乱射事件については記憶に新しい人もいると思います。この事件に対するトランプの発言が衝撃的でした。
「教師が銃で防戦すれば乱射事件はなくなる」「教師は銃を隠しもって、武装することで犯人は逃げるだろう」のように大統領として耳を疑う発言をしたのです。
デモの計画

あまりにも納得できないこの発言に対し、アメリカ全土で高校生や教師らが銃規制を求め大規模なデモ行進を計画しました。全米3000以上の高校など18万人がデモをしたといわれています。
私たちの高校でも生徒が先頭に立ち、私たちの学校でもデモを決行することになりました。学校の先生は法律でデモに参加することは禁止されているため、生徒主導で進めていきました。
有志の生徒で集まり、デモで掲げる看板づくりをしました。私もホストシスターとともに#NeverAgainをスローガンに看板をたくさん作りました。
デモ当日はあいにくの吹雪

デモの日は学校の前で亡くなった人の名前を読み上げた後、17分間の沈黙の黙とうを行い、そのあと、橋に移動して、デモ活動をしました。
その日はあいにくの、スノーデイでした。スノーデイとは積雪量や寒さが一定の基準に達して、学校が危険と判断して高校が休みになることです。
吹雪の中多くの人が橋の上に集まってデモが行われました。寒くてあまり覚えていませんが、必死に立ち続けました。
このデモの様子はユーチューブや町の新聞で大きく取り上げられましたが、反対する人がいるのも確かです。人が話している中、大音量で車で通り、邪魔をしたり、コメント欄に常識のない言葉で罵倒する人もいました。

銃を持つことに賛成する人も一定数いることは忘れてはいけないよね。
スピーチで意思表明
アメリカのデモでは、小学生でも大人でも年齢関係なくスピーチをしたい人が、壇上に上がって、スピーチをします。
特に事前の申し込みなども必要ありません。その場で発言したくなったらカンペがなくても列に並べば良いのです。
また、表現方法は決まっていないため、歌を歌う人もいれば、ラップにして伝える人もいました。そして、聞いている人たちは、共感したら、拍手や声援を送ります。
参加することに意味があるので、必ずしもスピーチをする必要はありません。多くの人が、同じ考えを持っていることを認識し、社会を変えていこうと行動するのです。
デモに参加してみて
デモに参加してみて、1からデモを計画するアメリカ人の高校生の行動力に驚きました。デモをする前日は多くの人がインスタグラムにデモ参加を呼び掛けて多くの人が当日集まったのです。
他にも、週末にニューヨークまで行ってより影響力の大きいデモに参加する人もいました。
一方でトランプ支持者と反対派でアメリカが分断されていてアメリカの政治に対して怖いと思う気持ちもありました。
まとめ
デモ運動は日本に住んでいた時は、遠くの存在に感じていたため、貴重な経験ができました。アメリカの高校生は正しいと思ったことに対し、行動に移すひとが多いような気がしました。
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