留学に行ったら「知らないうちに友達が日本人になっていた」や「英語はほとんど話さずに日本語だけで生活していた」などという話は良く聞きます。
日本人が多い地域は大きな都市で仕事やインフラ、交通機関が整っているということです。大きな都市のため、留学に関する情報も多くなっています。
留学するならアメリカのドラマや映画で見るような都会の暮らしがしたいと、私はニューヨークなどの大都市にあこがれていました。しかし、日本人に囲まれた生活では冒頭のように語学力が上がらない可能性も大いにあるので一概に良いとは言えません。
今回は私の経験をもとに留学先に日本人がいることのメリットとデメリットを紹介していきたいと思います。
留学先は日本人がいないド田舎?
私は高校生の時にアメリカのバーモント州という田舎に一年間留学していました。ニューヨーク州の北に位置するバーモント州は行くまではバーモントカレー以外で名前を聞いたことがありませんでした。
私の第一ホストファミリーの家は人口400人程の小さな村です。そんなところに日本人が住んでいるわけもなく、昔から住んでいる人たちでした。三世代で住んでいる家族が多かったです。
高校にも日本人はいない

高校は全校で400人程でしたが日本人はいませんでした。アジア人はアメリカ人夫婦に養子として引き取られた中国人の兄弟と町でインドカレーを営んでいるインド人の子供だけでした。それ以外は白人が8割を占める学校でした。
日本人はいなく、全学年顔見知りの小さな学校だったので私は学校でも一際目立つ存在でした。
隣の家は日本人
私の第2ホストファミリーの隣の家はなんと日本人とアメリカ人の夫婦でした。町には日本人は1人いるかいないかだったのに隣の家だったのは奇跡としか言えません。日本人の旦那さんはミドルバリー大学で日本語の教授をしていました。相手も「日本人の留学生がくるなんて」、私も「こんな田舎に日本人が」とお互いびっくりしました。
私が引っ越してから家に呼んでシャケのマリネやみたらし団子、肉じゃがなどの日本料理を振る舞ってくれました。
日本人がいないメリット
オンリーワンになれる
普段出会わうことのない日本人ということで質問してくれるアメリカ人は多いです。もし、西海岸のようにアジア人がゴロゴロいる留学先ではもはやだれが留学生なのかわからず自分から積極的に行かないと埋もれてしまうということを良く聞きます。
しかし私の留学先では、初めて見る日本人が私であったのです。これは良い意味でも悪い意味でも日本人に対するイメージが自分で決まるということです。
日本に対する関心がむけられる
日本のアニメが好きで英訳されたアニメや漫画を読んでいる人もよく声をかけて来てくれます。図書館で勉強していても「日本語を教えて」と気軽に声をかけてくる人が多く、そこから仲良くなる人もたくさんいました。
「日本といえば」という質問には「車」という答えが返ってくることが多かったです。アメリカ人は日本の車を乗っていることが多いので生活に密着した車が出てくることが多いように感じました。「無宗教なのはなぜか」「第二次世界大戦についてどう思うか」など答えるのが難しい質問もたくさんされました。日本のことは常に勉強するべきなのかもしれません。
英語力が伸びる
日本人が周りにいると安心するのは確かです。しかし、留学の目的が言語学習であったり、異文化交流であったら日本人といつも一緒にいて日本語で話していても英語力は伸びません。海外で生活するだけで英語ができるようになると考えるのは勘違いに過ぎません。
日本語を使わないと英語脳になり、語学の習得も早くなります。
日本文化を広められる
もともと日本文化があるところに自分で文化を広めるより、日本の文化が全くないところに普及させることに達成感があります。
私の町には日本食のレストランもなかったため、私がホームステイ先やパーティーで日本食を振舞ったら喜んでもらえました。
また、折り紙を小さい子に教えると「こんなにも楽しい遊びが日本にはあるのか」という言葉とともに新鮮なリアクションをも見ることができます。
もちろんスーパーに日本食が売っていないことや米を食べる習慣がないことなど不便なこともありましたが、日本食が恋しくなることはありませんでした。
日本人がいるメリット

交流が広がりやすい
先ほど紹介した日本人の教授は、仲良くしてくださって私を大学の書道のクラブに招待してくれたり、日本語を習う学生との交流も積極的に開いてくださりました。それまで、大学とは縁のなかった生活をしていましたが、週に1度高校の隣にある大学で大学生に混じってクラブ活動をするようになりました。
そこには日本語を頑張って学ぶアメリカ人や、日本のことが好きな外国人がいました。
ミドルバリーはアメリカの中で有名なリベラルアーツであり、言語学習についてはアメリカで1番と言っても良いです。日本語のコースの学生をはじめとして、イベントに参加する学生などいろいろな生徒ととの交流ができました。
相談をしやすい
留学中は、異国の土地でたった1人言語も違う中で生活していく必要があります。知らず知らずのうちに精神的なダメージを負っていることが多いです。ストレスがたまる中、気持ちをわかってくれるのが日本人の留学生です。
留学生の悩みは留学生にしかわかりません。もしかしたら同じ悩みを抱えていらかもしれないし、相談することで心が軽くなります。
良い刺激をあたえてくれる
同じ日本人でも日本にいたら巡り合わない人が多いです。住んでいるところも違えば性格も違います。
日本の大学では同じ目的、同じ学力のの人たちが集まりがちですが海外では出会うはずのなかった日本人と仲良くなれます。
留学において高い目標を持っている人がほとんどのため、自分に良い刺激を与えてくれることは間違い無いでしょう。
コミュニティができる
これは良いことでも悪いことでもあります。所属しているコミュニティがあるということは安心感につながります。
そこにずっと所属し、日本語を喋っていては自分の成長につながりませんが、友達として仲良くするのは良いと思います。価値観があいやすかったり、共通の話題も見つけやすいです。
まとめ
留学中は日本人と絡みすぎなければよい刺激を与えてくれる存在であると思います。相談に乗ってくれることによって軽減されるストレスも多いと思います。
日本人との付き合い方を考えながら最高の留学にしてください。
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